大阪ビジネスEXPO2007 part1
バブル崩壊後、東京以上に経済の地盤沈下が心配された大阪エリア。
東大阪を例にとれば、ピーク時に1万2000社あった企業数が半数近い6900社にまで落ち込んだのだから、その深刻さは推して知るべしである。
しかし、永らく苦渋を味わった大阪はここへ来て明らかに持ち直しつつある。
商工会議所などが中心となって中小企業の連携を必死に模索した成果が出始めたのだ。
おそらく多くの人が耳に覚えのある“まいど1号”はそのひとつの象徴と言える。
“東大阪市から人工衛星を!”をスローガンにスタートした“まいど1号”のプロジェクトは、機械加工の町として知られる東大阪の中小企業を中心に、多くの企業が手を結び、町工場製の人工衛星を衛星軌道に打ち上げる夢のプロジェクトだ。
プロジェクトのゆりかごとなっているのは中小企業基盤整備機構などが運営するインキュベーション施設“クリエイション・コア東大阪”。計画はすでに大詰めに入っており、来年夏に打ち上げられ、雷雲観察の任に就く予定だ。
クリエイション・コア東大阪のインキュベーション・マネージャーである夏目さんは語る。
「確かに一時の深刻な状況は脱しつつあります。しかし、ただ景気の浮上に頼って企業が生き残って行かれるとはもう誰も思ってません。
誰もが新しい挑戦をしなければいけないことを理解しているのですが、変わることができるかできないかはまた別の話で、おそらくその先には二極化が待っているのではないかと言われています。
その“やらなければならない何か”が、まいど1号であったり、こうした東京エリアへの進出の機会を模索するイベントであったりするのでしょう。」
東京が再びやってきたバブルに浮かれている間に大阪は牙を研いでいる。